キアゲハ通信No.087-「日本神経学学術大会」
2015.06.15 更新
「日本神経学会学術大会」
院長 西田 善彦
去る5月に福岡で開かれた第55回日本神経学会学術大会で約16年ぶりにポスターの発表をしてきました.約30年前に九州大学病院神経内科で神経内科の初期研修を受けさせていただいたので,その恩返しのつもりでした.
当時の私は,卒後5年目でしたが,神経内科については九大の医学部の学生にも負けるくらい知識しかなく,最初の3ヶ月は自分の能力のなさが情けなく本当に辛かったと記憶しています.そんな中,当時の助教授の後藤先生(後の教授)や小林先生(後の教授)に励まされ,学年が同じであった吉良先生(現教授),飛松先生(現教授,神経生理学)には慰められました.当時の九州大学は黒岩教授のもときら星のごとく優秀な人材が在籍されており,ほかにも東北大学の糸山先生,藤原先生,佐賀大学の原先生,高知大学の古谷先生と後に10人以上の教授を輩出されております.そんな中で出来の悪い私でしたが,皆様から引っ張っていただき1年後には何とか専門医の試験に合格することが出来ました.合格後すぐ徳島に帰ってきたので,実際の在籍は1年3ヶ月でしたが,宴会での印象が強かったのか3年くらい在籍していたように思われています.
今回,その当時の先生方に再会できることも楽しみの1つでした.そして神経生理の加藤元博前教授にお会いすることが出来ました.先生には当時の日本ではまだなじみのなかったPET-CTの所見を発表する機会を与えて下さいました.そして英文誌にその成果を投稿するようにとお勧めいただいたのですが,専門医試験の2ヶ月前だったのでお待ち下さいとお願いしたのですが,その話は他の先生の方にすぐ行ってしまいました.とても温厚な先生で患者さんや医局員の子供からも慕われていただけに,仕事の上での厳しさに驚きました.
チャンスは逃がすともう戻らないかもしれないと言うことをお教えいただき,当院での一期一会の診療にも生かしております.
(院内広報誌「なんきんまめ No.114(2014.9.15)」に掲載)
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