キアゲハ通信No.075-「ロンドンオリンピック」
2015.03.23 更新
「ロンドンオリンピック」
院長 西田 善彦
今年の夏は燃えました。勿論、例年以上に暑かったですが、それ以上にロンドンオリンピックが白熱した試合の連続で応援のあまり寝苦しい夜が続いたからであります。そして応援の甲斐あって日本のメダル獲得数は38個と史上最多でした。お家芸の柔道が振るわなくて金メダルが7個と少なかったのが残念ですが、そのほかの競技では、数十年ぶりとか史上初とかのメダル獲得が相次ぎ随分と盛り上がりました。
そこで感じたのですが、同じ負けても個人競技での負けは本当に悔しそうで見ている方まで苦しくなったのに対して,団体競技での個人の負けは、たとえそれが卓球やフェンシングのような個人の勝負で争うものでもそれほど辛そうには見えませんでした。そして勝った時の喜びは、サッカーやバレーボールのような団体競技では勿論、水泳のリレーのような個人の積み重ねのような競技でも単なる個人戦に比べて何倍も大きいようでした。2人だと悲しみは半分にそして喜びは2倍になると披露宴のスピーチなどでよく言われますが,まさにその通りだと実感いたしました.
それから次にもう1つ感じたのは、試合の後のコメントの中で日本人選手は,勝っても負けても自分を支えてくれた家族やスタッフ,それにファンの方々に対する感謝の言葉を必ず述べていました.こんなに周囲に気を遣うのは日本人くらいであり、他の国の選手がほぼ全員自分の努力や才能を誇示していたのに比べ極めて印象的でした。
私の好きなプロ野球の監督の1人である故西本幸雄氏が生前に用いられた言葉に以和為貴(和を以て貴し)があります。これは団体競技では戦う個人個人の集団であっても自分が自分がと前に出るのではなく、協調しあって試合に臨むことが好結果につながるという意味であり、今回のロンドンオリンピックを見ていてそのことを実感するとともに,これはチーム医療にも正しく当てはまることであると思いました。
(院内広報誌「なんきんまめNo.102(2012.9.15)」に掲載)
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