キアゲハ通信No.060-「バンクーバーオリンピック」
2014.12.08 更新
「バンクーバーオリンピック」
院長 西田 善彦
オリンピックは4年に1度の開催ですから,ついつい夢中になってしまいます.今回は冬季なので私たち四国の人間にはなじみが薄く,また日本人選手の活躍も期待薄で余り盛り上がらないだろうと思っていましたが,やはり女子フィギュアスケートには興奮してしまいました.
しかし皆が期待していた金メダルが取れなかったので,浅田選手は本当に悔しかったことと思います.実際,金メダルが最高の喜びをもたらすのに対して,銅メダルは取れて良かったと人を幸せにし,銀メダルは逆に金を取れなかった悔しさをもたらすメダルであると誰かが言っていました.現に男子フィギュアで銀メダルのロシア人選手は,演技の評価の低さに激しく憤っていました.4年間も血のにじむような努力をしてきたのだから無理もありません.特に今回は芸術点の採点での上乗せの差が成績を多いに左右する原因となったように思います.芸術点は審判の感情によっても評価が変わってくると思われ,会場のムードや個人的な相性によっても採点が左右されると考えられます.体操にも器械体操と新体操があり,スケートにもフィギュアペアとアイスダンスがあるので,いっそのことショートプログラムを技術面中心の採点をする規定演技として,フリー演技を芸術面中心の演技として,それぞれ別の競技にしてあげたらと思いました.4年に1度の大会であり,それもわずか何分かで終わる試合なのですから,選手や彼らを支えている人たち,さらには応援している人たちのためにも,もう少しメダルの数を増やしてあげたらと思います.
人間,パーフェクトであるに越したことはありませんし,最終的にはバランスが取れて総合的に優れた人材が求められるかも知れません.しかしそのようになれるのはごく1部の人であり,まずは得意分野だけでも伸ばしてゆけたら良いと思います.そしてその人なりに目標を持って頑張っていれば,いずれ何らかの形で報われるような世界であって欲しいものです.
(院内広報誌「なんきんまめ No.87(2010.3.15)」に掲載)
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