キアゲハ通信No.047-「オシム前監督に思うこと」
2014.09.08 更新
「オシム前監督に思うこと」
院長 西田 善彦
本来は今回,中日ドラゴンズの落合監督の采配について私なりの考えを書こうと思っておりましたが,日本サッカーのオシム代表監督が,昨年11月16日に脳梗塞で倒れられ,急遽後任に岡田武士氏が就任されました.そこで予定を変更して今回はオシム前監督のことについて書きたいと思います.
オシム前監督については以前にふれたことがあります.丁度,ジーコ監督から交代したところで「考えて走ること」を理念に監督というより「教師」として日本を史上最強のチームに導いてくれるものと期待していました.そして当初はスター選手をあえて起用しなかったり,話の内容が皮肉に満ちていたことなどから「面白くない」とか「本当に大丈夫なのか」と批判されたこともありましたが,昨夏以降,強豪チームにも一泡吹かせるなどやっと指導が開花しかけてきてましたので今回の病気による交代は本当に残念です.今回の監督交代でプレースタイルは変わるでしょうが,それでも日本人が彼の信じている通りの性格であれば彼から学んだ「考えて走る」ことや「チームのためにつくす」ことを真面目に守り,さらには判官贔屓から志半ばで倒れたオシム前監督のことを思ってより強い団結が生まれ,彼の描こうとしたサッカーが結実するかもしれません.
私たちにとっても彼から学べるとことがあり,それは,①彼は教師であり続けるためにたえず新しいことを学んでいた,②彼は自分に対して厳しく,その厳しさを他人にも要求することがあったが,失敗した人をかばうなど気配りも忘れてはいなかった,③彼は病床の中にあっても相手を思いユーモアを持って接している,などと思われます.きっと退任されてから彼の良さがもっとよく分かるはずだと思いますので,セルビア・モンテネグロの内紛でも屈しなかった精神力で何とか回復していただき,次のワールドカップの時に顧問のような形ででも見守ってもらえたらと願っております.
(院内広報誌「なんきんまめ No.74(2008.1.15)」に掲載)
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