キアゲハ通信No.045-「早いものでもう10年目」
2014.08.25 更新
「早いものでもう10年目」
院長 西田 善彦
私が伊月病院に入職したのが平成10年8月ですから早いものでもう10年目になります.この間,おかげさまで病院は増改築を行うことが出来,患者さんもかなり増加いたしました.特に私の専門の神経内科,中でも神経難病の患者さんの数は徳島県内の何割かを占めるほどになりました.例えば神経難病の中で有名なパーキンソン病(およびその類縁疾患)を例に挙げますと徳島県内で特定疾患に認定されている約800名のうち約120名の方が当院にかかられております.
しかし私は前勤務先の徳島大学病院ではこのようにたくさんの方を診ていたわけではありませんでした.大学病院の教官ということで診療以外に教育や研究にも従事しており,週1回の外来を担当していただけでしたからパーキンソン病にしても10名前後の方をみていたにすぎなかったのです.それで講義などを通じて本で得た知識は持ち合わせていましたが,特に大学病院という性格上,患者さんを最後まで診させていただく機会が少なく,実際の日常臨床から得られるような知識は不足しておりました.私はこのような問題を解決すべく積極的に講演会に出席し,さらにはそこで著名な先生方に直接質問したり相談に乗っていただいたりしました.しかしそれにも増して勉強させていただいたのは,患者さんからでありました.運の良いことに私が伊月病院に入職した時期には,パーキンソン病を始めいろいろな友の会が発足し,その中心メンバーとなるような方には本当にいろいろな事を学ばせていただきました.賢い患者さんは臨床医を育てると思います.
この10年で残念ながら多くの患者さんが亡くなりました.ご家族にとっては勿論のこと私にとっても1人1人が世界に1人しかいない大切な方であり,出来る限りのことをさせていただき,臨終の席にも立ち会うつもりでやってまいりました.力及ばず申し訳ないという気持ちと多くのことを学ばせていただいた感謝の気持ちを最後に表せていただきたいと思います.
(院内広報誌「なんきんまめ No.72(2007.9.11)」に掲載)
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