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キアゲハ通信No.029-「超気持ちイイ~」

2014.05.19 更新

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「超気持ちイイ~」

院長 西田 善彦

 明けましておめでとうございます.昨年は台風に地震といった天災,それに数多くの凶悪な犯罪(人災)とまるで世紀末が遅れてやってきたかのような本当に災いの多い年でした.その中にあって私たちの気持ちを爽快にし,また勇気づけてくれたのは競泳に代表されるアテネオリンピックでの日本勢の大活躍ではなかったでしょうか?そういう意味で昨年の流行語大賞に平泳ぎである金メダリストの北島康介選手の“超気持ちイイ~”が選ばれたのは当然のことかもしれません.今回はその北島選手について少しお話したいと思います.

 北島選手は東京下町生まれの22歳の大学生,身長は177cm,といいますから私より少し大きい程度,しかも靴のサイズはわずか24cmと本当に小さいのです.このことは水泳選手にとって大変なハンデといわれています.しかしその彼が体の大きな外国人選手を抑えて金メダルを2個も取ったのですから本当に痛快でした.しかしそれはただ「勝ちたい」と願うのではなく,「いかに勝つか」と考えた結果,取るべくして取ったと聞きます.「チーム北島」というフィジカル面,メンタル面でのコーチや栄養士など各種専門職が彼を総合的にサポートしていたのです.彼は平凡な体格ゆえ,記録を伸ばすにはいかに自分の能力を引き出せばよいかと考え,謙虚さをもっていろいろな人の意見を素直に聞き,それを自分なりに整理して取り入れ厳しい練習をしたそうです.

 後に彼は勝った時に思わず出た例の「超気持ちイイ~」は金メダルを取れたからではなく,努力して厳しい練習をそれまでやり遂げたことがゴールの瞬間に気持ち良くああいう言葉になったのだと言っています.よく日本人選手は大舞台に弱かったので,彼は新人類と言われているようです.しかし,素直で真面目そして最後まで頑張り抜く彼の姿はむしろ最近少なくなった昔の日本人の美徳を見るようで改めて感動いたしました.

 (院内広報誌「なんきんまめ No.56(2005.1.10)」に掲載)
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