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キアゲハ通信No.143-「2023年を振り返って」

2024.01.13 更新

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「2023年ノーベル生理医学賞」

院長 西田 善彦

 2023年は本当にいろんなことがありました.医学界では新型コロナ感染症が第2類から第5類へと引き下げられ規制が大幅に緩和されました.また私の好きなスポーツ界では3月のWBC(世界野球)優勝に始まって大谷選手の大リーグでのホームラン王,さらに阪神タイガースの38年振り2度目の日本一と喜ばしい話題が続きました.

 しかしその一方では,旧ジャニーズ事務所のセクハラ問題,宝塚歌劇団のパワハラ問題,車買取販売のビッグモーター社の数々の不正請求,そして極めつけはダイハツ工業の車両認証試験での長年にわたる不正と悪いニュースの方が多かったように思います.そしてこれらの悪いニュースに共通しているのは,見て見ぬ振りが横行していたことだと思います.確かに会社あるいはグループのトップの犯罪的行為については,気づいていても弱い立場である部下では告発することも困難かとは思います.しかしその風潮が会社やグループ全体に及んでしまって当たり前あるいは常識となってしまうと明るみに出た時には大変な事態に陥ってしまいます.

 ダイハツは日本一の優良企業であるトヨタ自動車の子会社ですが,トヨタは自分たちと同じレベルと考えてダイハツの開発現場が不正体質に染まっていることを見過ごしていたのかと思われます.またそのトヨタでさえも2009年には品質保証問題を引き起こしたことがあり,それ以降,「トヨタは逃げない,隠さない,うそをつかない」をモットーにして「もっといい車づくり」に全社で取り組んできたといいます.たとえば試験車を作って壊れて失敗しても壊れて気づかせてくれてありがとうと考えるのだそうです.そこには現場第一主義があり,初めに気づいた人がその工程を止める権利を持ち,直ちに上司と相談して改善を図るのだそうです.

 トヨタの今後の対応に注目したいと思いますし,私たちの病院も誰もが気づいてものを言える組織にしたいと思います.

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