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キアゲハ通信No.136-「ヒエラルキーとホラクラシー」

2022.11.24 更新

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「ヒエラルキーとホラクラシー」

院長 西田 善彦

 皆様,ヒエラルキー(hierarchy)という言葉をお聞きになったことはありますか.それではそれに対する言葉でホラクラシー(holacracy)はいかがですか?

 そもそもヒエラルキーは階層や階級という意味であり,ピラミッド型の組織構造のことを指しております.すなわち病院で例えてみれば院長を頂点とし,看護部には看護部長,事務部には事務長,さらに薬剤部,リハビリ部,検査部などにもそれぞれの部長がおります.そしてその下には,それぞれの主任がいて,さらにその下により多くの職員が勤務しております.すなわち組織の構造が垂直分布の中央集権型をとっております.このような組織では問題が起こった際に命令指示系統がはっきりしていて上からの指示が伝わりやすい反面,下からの意見は反映しにくい欠点もあります.一方,ホラクラシーとは組織の中に役職や階級による区別がなく水平横断的な組織形態のことを言います.このため意思の決定や裁量権は,それぞれの部署,チーム,個々の職員に任されており,1つの問題に対して各人がそれぞれに考えて仕事に積極的に取り組むことが出来るとされております.

 私は今から約20年前にパーキンソン病友の会の事務局長の打樋さんと当時まだ数少なかった介護関係のNPO法人理事長の山口さんの3人で,徳島SHC研究会を立ち上げて活動しておりました.SHC(self help care,自助すなわち自分のことは出来るだけ自分で何とかできるようにしよう)の精神を患者さんに持ってもらうために,各専門職が患者さんを中心に水平性に周りを取り囲んで病気を理解して受容することにより,QOLを高めることを目指した研究会でした.

 今また学会などが中心になってパーキンソン病を対象として多職種連携で患者さんのQOLを向上させようという機運が高まってまいりました.当院としてもその運動に積極的に参加してゆこうと考えております.

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