キアゲハ通信No.015-「W杯その後」
2014.03.10 更新
「W杯その後」
院長 西田 善彦
ワールドカップ(W杯)サッカーが終わって早2ヶ月余り,プロ野球のペナントレースが両リーグとも独走態勢にあり例年になく盛り上がらないこともあって,未だにサッカー熱はさめやらないようです.現在のにわかサッカーファンが成長し4年間で本当のサッカー通になっていれば今度こそ日本は決勝リーグで好成績を残せそうです.というわけで日本チームの監督は,賛否両論の多かった「白い呪術師」トルシエから「サッカーの神様で白いペレ」といわれるジーコに早々に交替したのです.
ジーコとトルシエは,全く対照的な人物で,個人技を重視する南米のなかでも随一のスター選手であったジーコに対してトルシエは組織プレーを重視する欧米で選手としての実績は皆無でした.一方,監督としての実績はトルシエが過去にナショナルチームを率いて何度もW杯に出場したのに対して,ジーコには監督の経験はありません.このように対照的な2人ですから,今後の日本チームががらりと変わってしまう可能性が高いように思います.そこで気になるのは「名選手必ずしも名監督ならず」という諺です.体力では世界にかなわないからと折角トルシエが築き上げてきたチームとしてプレーするという戦術が,ジーコになって個人技重視という南米スタイルに変わったら,また以前の弱い日本に逆戻りするのではと心配してしまいます.しかし,改革無くして大きな前進はありません.そのために必要なのは,選手のみならずサポーターも含めた全員の「変わらなきゃ」という気持ちだと思います.幸い,今回のW杯のメンバーの平均年齢は参加国中でも最も若い部類であり,中心選手は殆ど25歳以下なのです.彼らが今後海外などのより厳しい環境のもとでもまれて経験を積み,チームとしての組織力+個人技=今まで欠けていた決定力という方程式を完成させることができると,4年後にはホームでなくとも今回以上の成績をW杯で残せるものと期待しております.
(院内広報誌「なんきんまめ No.42(2002.9.1)」に掲載)
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