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キアゲハ通信No.080-「ヨットはなぜ風に向かってすすむことができるのか」

2015.04.27 更新

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「ヨットはなぜ風に向かってすすむことができるのか」

院長 西田 善彦

 皆様、ヨットはなぜ風上に向かって進むことが出来るのか考えたことはありますか?私は、不思議に思ってインターネットで調べてみました。ネットにはいろいろと詳しく図入りで説明が載っていましたが、一言で言うと揚力を推進力に変えて斜め45度に進むことが出来ると言うものでした。

 これではよくわかりませんのでもう少し分かりやすく解説してみます。揚力は飛行機が空を飛ぶために利用している力です。すなわち飛行機には翼があり、その断面は実は真っ平らではなく、上に凸の形でふくらんでいます。このためふくらみのある翼の上面を流れる空気は,平らな下面を流れる空気よりもより長い距離を同じ時間で翼に沿って流れ、このため流速が、上面の方が下面よりも速くなります。そうでないと翼の前と後ろで空気の量が変わってしまいます。そしてその結果、翼の上面の圧力は下面の圧力よりも流速に比例して低くなり,翼は下から上へと押し上げられることになります。すなわち翼は上へと持ち上げられる揚力を得ると言うわけです。動力を持たないヨットの場合、この翼に相当するのが帆(セイル)であり、風に向かって帆を平行に張ることにより帆がたわんで翼のような形になるのだそうです。これにより揚力が生じてヨットは凸になった帆の側に流される力を得ることになります。しかしこれでは横に流されるのでヨットには船底にあるキールと呼ばれる出っ張りがあって、このキールを壁にして横に進む力をななめ前方に進む力に変えることが可能なのだそうです。

 どうですか?まだ分かりにくいと思われますが、世の中には普通に考えたらとても無理と思われることでも上手く工夫すれば案外とシンプルな方法で解決するものですね。当たり前になっていることに対してもなぜ?と考えることや何とかしようと工夫や努力をすることがいかに大切か改めて考えさせられました。

(院内広報誌「なんきんまめ No.107(2013.7.15)」に掲載)
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