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キアゲハ通信No.119-「PDCAサイクルからOODAループへ」

2020.01.11 更新

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「PDCAサイクルからOODAループへ」

院長 西田 善彦

 皆様、PDCAサイクルという言葉をご存じでしょうか?Wikipediaなどによれば、PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、1950年代にアメリカの統計学者で品質管理研究の第一人者であったデミング博士とシューハート博士によって提唱された概念で、生産技術における品質管理などの継続的改善を行う手法としてトヨタやソフトバンクなど多くの企業に採用されてきました。すなわちPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善させることだそうです。そして当院でもMB賞という経営品質改善賞を目指してPDCAの手法を取り入れて参りました。

 そのPDCAに対して最近もう古いという異論が出て参りました。すなわちPDCAは統計的な観点から計画に沿って行動し、それがうまくいっているか検証していくのですが、それには時間がかかって実際に現場で起きていることが想定外であれば対応しきれないというのです。そしてそれにも対応できるOODAループをアメリカ空軍のボイド博士が提唱されました。OODAはObserve(見る=現実に起こっている問題を観察する)、Orient(分かる=観察して得られた情勢を理解して適応する)、Decide(決める=情勢に対して適応すべくどの方法や手段を選ぶか意志決定する)、Act(行動する=決定された方法に基づき実際の行動に移る)という4つの行動を繰り返して行い(=loop)、現実に起きている問題に対してより柔軟にかつスピードアップして行動しようとするものです。

 私は以前からPDCAは時間がかかりすぎてActまでたどり着けていないと感じていましたので、このOODAループはより現実的で普段の日常診療で絶えず直面している問題にもPDCAよりも活用できそうに思います。

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