キアゲハ通信No.117-「佐々木朗希投手」
2019.09.14 更新
「佐々木朗希投手」
院長 西田 善彦
令和初となる今年の夏の高校野球が,大阪の履正社高校の初優勝により幕を閉じました.今年の高校3年生の中でプロが狙う将来有望な選手としては投手が目立っていたようです.そしてその中でも特に注目されたのは,岩手の大船渡高校の佐々木朗希投手です.
佐々木投手は,現在大リーグで活躍中の大谷翔平選手をもしのぐ最速163kmという剛速球を武器に県予選では6回を投げて無安打無得点,18のアウトのうち13が三振という恐るべき成績を残しました.そんな高校生として飛びぬけた存在の佐々木投手ですから甲子園には出てこられるものと思っていました.実際,大船渡高校は順当に甲子園予選の岩手県大会決勝まで駒を進めました.しかしその決勝には「佐々木選手の体はまだ成長途中であり無理はさせられない」という理由による監督の決断で佐々木選手の姿はなく,大船渡高校は念願の甲子園出場を目前に花巻東高校に敗れ去りました.
この決勝戦を投げさせなかった監督の采配には,賛否両論,多くの意見が寄せられました.「甲子園という一生に1度の晴れ舞台でかけがえのない経験を積むことこそが将来の成長につながるのだからそれを奪うのはひどい」とする反対意見や「将来は大谷選手のように大リーグでも大活躍できる潜在能力を持った逸材をこの段階で潰すわけにはいかない」とした賛成意見などです.私も確かにTVで彼の徳島代表の鳴門高校に対するピッチングを見たかったのですが,やはり事情を知らない人たちがとやかく言うべき問題ではないと思います.
佐々木投手は高校に進学する際,多くの大阪を含め数々の強豪校からスカウトがあったそうですが,「中学時代一緒にプレーした仲間達と一緒に野球を続けたいから」ということですべて断ったそうです.野球はチームプレーによるスポーツです.その仲間たちも賛成した上での決断であれば尊重し,今後の彼の成長と活躍を楽しみに見守っていきたいと思います.
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