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キアゲハ通信No.008-「モティベーション」

2014.02.10 更新

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「モティベーション」

院長 西田 善彦

 今年,日本中をもっとも明るくしてくれた日本人の1人は,米国大リーグ・シアトルマリナーズのイチロー選手だと思います.彼は,天才的で抜群のミートに努力で得たパワーを加え,攻・走・守3拍子そろった万能選手です.アメリカ人の予想をもはるかに超えた大活躍で,オールスター戦にも選ばれ今や大リーガーのスーパースターとなりました.そのイチロー選手が,先日,アメリカの小学生の前でスピーチをしたという話が,新聞に載っていました.これも社会に対する奉仕活動の1つであり,大リーガーともなればたとえどんなに疲れていてもシーズン中から社会奉仕をする必要があるのだそうです.そしてその時のタイトルが,モティベーションでした.

 モティベーション(motivation)とは,刺激,誘導,動機づけ,やりたい気持ちなどを意味する英語です.イチロー選手は,3分間のスピーチで,「自分は小さい時から野球が好きで,将来は野球選手になりたいと決め,ご両親から買ってもらった道具を大事にしながら頑張った」というような内容のことを話したそうです.彼は小学生たちに,①出来るだけ早くから目標を持って,それに対して普段からたゆまぬ努力をしてゆくことや②両親の愛情を受け入れそれにこたえることの大切さを教えたのです.

 生きがいややりがいを見つけて,それを実践しようと努力することは人生で一番大切なことであります.そして生きがいとは自分の人生における周囲や世の中に対する役割であると私は思います.生きている役割はどのような仕事の人にでも存在するだけでなく,たとえ病気になって寝たきりで仕事が出来なくなった人にも存在すると思います.人生は,一度きりで短く,何時終わるともかぎらないものであります.それゆえ生きがいややりがいを出来るだけ早く見つけることは大切であり,それを20歳半ばで実践しているイチロー選手はやはり単なる野球選手ではないようです.

(院内広報誌「なんきんまめ No.35(2001.6.25)」に掲載)
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