キアゲハ通信No.064-「ボジョレ・ヌーボー」
2015.01.05 更新
「ボジョレ・ヌーボー」
院長 西田 善彦
皆様方には,ほとんどの方がボジョレ・ヌーボーをご存じだと思います.これは,作られて毎年すぐその年の11月の第3木曜日に解禁されるボジョレー地区のフランスワインの名前であり,時差の関係から日本では世界に先駆けて主要都市の中でイの1番に飲むことが出来るため,おなじみのお酒です.
今年もいよいよその季節になり,私も当日に乾杯すべく当然予約をいたしました.このワインは,ガメイ種という不毛な酸性花崗岩の土壌で栽培され渋みのもとになるタンニンをあまり含んでいないブドウから作られます.このため長期熟成には不向きですが,飲みやすくてフルーティなワインとなります.これに対して有名な5大シャトーのボルドーワインなどは,カベルネ・ソーヴィニヨンなどタンニンに富み長期熟成によって複雑で深い味わいに変わるブドウを主に使用しているようです.ボジョレと5大シャトーのワインでは,熟成年数も価格も1桁以上違いますので,勿論比較にはなりません.しかしそれぞれに持ち味があり,飲み方のTPO(時と場所、場合にあった方法)を間違えなければ,お互いに勝るとも劣らない価値を産むものと思います.私はワインの味も分からないし,うんちくも語れませんが,値段が高ければ高級でよりおいしいというわけでは決してなく,このことは人間社会の組織においても同じことが言えるとも思います.
私はボルドーで近年における最高の年と言われた2005年産のスーパーセカンドワインを所有しています(5大シャトーは投機対象となり目が飛び出るくらい高価でとても無理).ところが入手してから気づいたのですがその飲み頃は何と2020-2035年だそうです.それまで大事に貯蔵するため慌ててワインセラーも購入してとんだ物入りになってしまいました.それでどのような時にこのワインのコルクを開けることができるか楽しみにして元気に仕事をしたいと思います.
(院内広報誌「なんきんまめ No.91(2010.11.15)」に掲載)
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