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キアゲハ通信No.065-「大学受験」

2015.01.14 更新

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「大学受験」

院長 西田 善彦

 今年もセンター試験を皮切りに大学受験のシーズンとなりました.私が大学を受験したのは,1973年のことですから早いものでもう38年も前のことになります.その当時はセンター試験がなく,1発勝負にならないように国立大学は1期校と2期校に分かれておりました.人間どうしても早く合格して安心したいので,1期校の方に目が向くことになります.そこで私は1期校に地元の利を生かせる徳島大学を選びました.

 その当時の徳島大学の受験科目とその配点は圧倒的に理系優先でありました.それに対して私は,英語が最も得意で理数系よりも現国の方が安定して点を稼げる文系的な学生でありましたので,徳島大学を受験するには不利であり,合格できたのは運が良かったのかも知れません.それでもいったん入学してしまえばこちらのもので,しかもそれは大学を卒業してからはさらに明確になりました.すなわち医師になってから物理などまったくといって使ったことはなく,数学もごく簡単な計算しか使わないので,子供に微分や積分など教えることも出来ません.学生時代あれだけ数学や物理を勉強し,テストされたのはいったい何のためだったのだろうと思います.恐らくそれは論理的にものを考える訓練のためであり,また数学や物理の試験は点数化しやすいためその能力の評価を下すのに好都合であったためではないかと思われます.確かに分からない病気に出会った際,その診断や治療を行うためには論理的な思考は大切です.そのため医学部では卒業後も臨床医をしながら何か研究を行うことを勧めております.

 しかし最近,それだけでは足りないように思えてきました.いくら論理的な思考や計算が出来ても,最終的にその内容をいかに分かりやすく簡潔に表現できるかが大切であると思います.特にMr.ニュースこと池上彰氏の番組を見てそう思うようになりました.氏のことは非常に気になりますので,研究していずれこの紙面で取り上げてみたいと思います.

(院内広報誌「なんきんまめ No.92(2011.1.15)」に掲載)
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